このコラムでは、よもぎ蒸しに関連深い4つの法律をご紹介します。
【このコラムで解決できること】
- よもぎ蒸しサロン開業に関わる法律を知りたい
- 公衆浴場の許可が必要か把握しておきたい
- 違法になり得る宣伝文句には気を付けたい
この記事の執筆にあたり、薬務課の担当者とやり取りを行いました。
これを読めばよもぎ蒸しサロンを開業する時の法律面の不安を軽減できますよ。
薬学研究者 Ryoさん
専門:東京大学薬学部卒/同大学院修了
実績:当メディアは年間利用者40万人以上
一言:根拠に基づく情報を発信します!
よもぎ蒸しサロン開業で特に重要な法律は「公衆浴場法」「薬機法」「医療法」「景品表示法」の4つです。
法律を違反しないために重要な内容なので、何度も読み返して、理解してくださいね。
よもぎ蒸しの導入方法
法律の話の前に、よもぎ蒸し導入のメリットとデメリット、具体的な導入手順を把握したい方は、こちらの記事をご覧ください!
よもぎ蒸しに関連する法律
「公衆浴場法」「薬機法」「医療法」「景品表示法」の4つを順番にご紹介しますね。
「公衆浴場法」は開業前に必要で、「薬機法」「医療法」「景品表示法」は主に開業後に必要になってきますよ。
法律① 公衆浴場法
公衆浴場の許可が必要かは各地域の保健所ごとに判断が異なります。
許可が必要な地域もありますので、必ず保健所に問い合わせましょう!
詳細が気になる方はこちらのコラムをご覧ください。
法律② 薬機法
薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
前提として薬機法はモノに対する法律ということ。
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品が法律の対象になってきます。
言い換えると、よもぎ蒸し椅子やよもぎ蒸し漢方などのモノを販売するときに対象になる可能性がありますが、よもぎ蒸しの提供はサービスなので、薬機法の対象外で他の法律の範疇になります。
薬事法における医薬品等の広告の該当性について
・顧客を誘引する (顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
・特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
・一般人が認知できる状態であること
引用改変:厚生労働省 | 厚生省医薬安全局監視指導課長通知
よもぎ蒸し関連商品の物販を始めるときには気を付けた方が良いですね。
法律③ 医療法
医療法とは、医療を受ける者の利益保護や適切な医療を効率的に提供する体制確保を目的とする法律。
対象となるのは、医療の範疇である「病気を治す行為」をするときです。
例えば「よもぎ蒸しで〇〇の疾患が治ります」と宣伝した場合には医療法の対象になり得ます。具体的な広告規制は厚労省のHPに掲載されています。
そもそもよもぎ蒸しは医療ではないので、根拠なしに〇〇の疾患が治りますというのは誇大広告ですね。
よもぎ蒸しを医療と勘違いする顧客は多くないと思いますが、念のために言い回しには気を付けましょう!
誇大広告という意味では、医療法よりも次に紹介する景品表示法が最重要。
法律④ 景品表示法
景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。一般消費者の利益の保護を目的とした法律です(消費庁のHP)。
よもぎ蒸しサロンで特に関わってくるのは、「優良誤認表示の禁止」と「有利誤認表示の禁止」です。
優良誤認表示の禁止
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
景品表示法第5条1号
有利誤認表示の禁止
商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
景品表示法第5条2号
簡単に言うと、実物よりも著しく優良と誤解させたり、他製品と比べて著しく有利と誤認させたりする表示はNGということ!
一般消費者に優良と誤認されないために何をすれば良いでしょうか?
それは…合理的な根拠と共に伝えるということです。
「合理的な根拠」の判断基準
提出資料は、表示された具体的な効果、性能が事実であることを説明できるものでなければならず、そのためには、次のいずれかに該当する客観的に実証された内容のものである必要があります。顧客を誘引する (顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
・試験・調査によって得られた結果
・専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献
引用改変:消費者庁 | 不実証広告規制
要するに、よもぎ蒸しに関する試験をしたり、学術文献をしっかりと把握して引用しましょうということです。
学術文献を日頃から読んでいないと、合理的な根拠を伝えるのは難しいかもしれません。
法律のまとめ
- 公衆浴場の許可:公衆浴場法。公衆浴場の許可が必要かは各地域の保健所ごとに異なるので保険所に要問い合わせ!
- よもぎ蒸し関連商品の物販:薬機法。薬機法に当てはまる製品ならば広告規制をしっかりチェック!
- よもぎ蒸しサロンの宣伝フレーズ①:医療法。一般消費者がよもぎ蒸しを医療と勘違いしない言い回しにする!
- よもぎ蒸しサロンの宣伝フレーズ②:景品表示法。一般消費者に著しく優良と誤解させないように合理的な根拠と共に伝える!
法律を把握するコツ
自力で法律を一つ一つチェックすることもできますが、分量が多い上に文面の理解が難しいので、意外と大変!
そういったときは専門家の力を借りると良いと思います。
コツ① 弁護士に相談する
法律といえば弁護士!
しかしながら、かなり高額。リーガルチェックの相場は1件あたり5~15万円程度(MoneyForwardクラウド契約)。
文系出身者が多く薬学の知識はないと想定されるため、適切な宣伝フレーズの提案まではしてくれないかもしれません。
コツ② 薬務課に問い合わせる
気になることがあれば、問い合わせると良いと思います。
しかし薬務課の担当者は多くの業務を担当していて忙しそう。担当者の状況によっては回答に時間がかかるのは仕方がないことです。
当然ですが、法律違反かは教えてもらえるのですが、具体的な文言までは教えてもらえません。何を知りたいかの論点を自分でしっかりとまとめた上で連絡すると良いでしょう!よもぎ蒸しについて知らないと思いますので、よもぎ蒸しの説明をすると丁寧だと思います。
忙しい中、丁寧に対応してもらったので、とてもありがたかったです。
コツ③ 講座に参加する
よもぎ蒸しの専門家が主催する講座に参加すると、知りたいことがスムーズに把握できるので、オススメです。
よもぎ蒸し専門セルフキュアでは、丁寧にマンツーマンで相談に乗りますので、ぜひよもぎ蒸し講座にご参加ください!
よもぎ蒸しサロン経営のコツ
よもぎ蒸しサロンは儲かるのか実体験をご紹介!
儲かると言われる理由に加えて、利益を上げるコツとサロンの注意点を解説しているので、気になる方はご覧ください。
よもぎ蒸し関連の法律まとめ
いつの間にか法律違反をしていたとならないために、法律を把握するのは経営する上で必須です。
よもぎ蒸しサロンの開業で特に重要な法律は「公衆浴場法」「薬機法」「医療法」「景品表示法」の4つです。
自力で法律を一つ一つチェックすることもできなくはないですが、多くの労力がかかるので、専門家の力を借りるのが良いと思います。
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